昨年、小笠原(父島・母島)旅行に行った際に自転車(ロードバイク)を持っていきました。
旅行に行くにあたって自転車を持ち込めるのか?料金はいくらになるのか?気になって調べてみたのですがハッキリとした情報が見つからず、当日まで不安で心配だったので記事にしておこうと思います。
なお、自転車は鉄道へ持ち込めるタイプの輪行袋に入れて持っていきました。
※この記事は2016年11月時点の内容になります。
(2016年7月運行開始の新おがさわら丸での話になります。)

おがさわら丸/ははじま丸に自転車は持ち込めるのか?

小笠原に自転車を持って行ったわけですし、結論は言わずともおがさわら丸に自転車は持ち込めました。

持ち込みには2種類ある

おがさわら丸/ははじま丸では以下の二通りの持ち込み手段があります。

  • 輪行袋に入れて持って行く(無料)
  • 分解せずそのまま持って行く(有料)

輪行袋に入れて持ち込む方法は?

  • 事前申請/当日申請は不要
  • 客室の等級は関係無し
  • 手荷物として抱えて持って行くだけ!

受付の人によって対応が異なるので注意!

基本的には何も言わずに持ち込めば大丈夫です。
今回は、小笠原に行くのは初めてだったのでおがさわら丸乗船前に確認を取りました。
行きはいきなり荷物受付にて預けようとしてしまったのですが「預けなくても良いよ」と言われ、そのまま持ち込みました。
帰りも念のためチケット引換(売り場)の受付にて確認を取ったのですが「預けて下さい!」(有料)と言われてしまいました。
そこで「行きは持ち込めたのですが…」と伝えると、何やら他の職員さんに確認をしてに行き「輪行袋に入れてあれば大丈夫です」と回答を頂きました。

おがさわら丸の客室内に入らない場合は?

今回、おがさわら丸の往復共に1等室以上の個室だったのでそのまま船室に持ち込んでしまいましたが、特2等寝台以下の場合は手荷物置場(共用スペース)に自転車を置けば大丈夫です。
特2等寝台の場合は左右両方とも旅仲間であれば手元に置けそうな気もしますが……やめておいた方が良いと思います。激しく揺れるときもありますし、いざというとき救命胴衣を取り出せないなんてことになると大変ですから。

おがさわら丸の手荷物置場(1)

おがさわら丸の手荷物置場(2)

本当に手荷物置場に置いて大丈夫なのか?
→はい。
乗船時に船員さんに「自転車は手荷物置場に置くと良いですよ」と案内されたのです。しかし今回は「個室なので」とお断りしました。

おがさわら丸の1等室に自転車を置いたところ

ははじま丸に持ち込む際は?

  • 手荷物置場に置く
  • 横倒しにする

横倒しにして置いて下さいと船員さんに案内されました。
振動はエンジンによるものしかないので破損の心配はないかと思いますが、ディレイラーが下にならないように注意して下さい。

ははじま丸の手荷物置場に自転車を置いたところ

輪行袋に入れずに持ち込む場合は?

輪行袋に入れずに持ち込むこともできますが、船室に持ち込むことはできず一般貨物として預け入れる必要があるようです。
https://www.ogasawarakaiun.co.jp/service/baggage.html

  • 当日乗船前に一般貨物として預け入れる
  • おがさわら丸での受付時間は竹芝9:30~10:30、父島13:30~14:30
  • ははじま丸での受付時間は出港1時間前~30分前まで
  • おがさわら丸での料金は片道4,000円ぐらい(一般貨物運賃+燃料油価格変動調整金+保険料)
  • 10万円以上の自転車の場合は10万円ごとに350円の保険を掛ける必要があるらしい

    ははじま丸の各時間

小笠原ではサイクリングを楽しめるか?

覚悟が必要だと思います。良い自転車を持っていきましょう。
二輪免許をお持ちの方はあえて自転車を利用する必要は無いと思います。

今回は、ロードバイクを初めて購入してまだ1ヶ月しか経っておらずペダルもビンディングではなかったため、とても厳しい目に遭いました。
しかし、父島は厳しくも何だかんだ楽しめました。母島は南側だけ走りましたがもうこりごりです。

父島の様子は?

父島の道路はアスファルトが多いですが、コンクリートの箇所もあります。

二見港~扇浦海岸までの西側は“小笠原の中では”平坦な道が多くサイクリングし易いです。
とはいえ、東京の街中を走るよりも坂はきついのでそのつもりでいてください。
この区間は歩道もありますが、「自転車歩行通行可」の道路標識はありません。
また、途中の1箇所のトンネルは自転車通行禁止となっていますので、海側にある歩行者・自転車用の道を通って迂回して下さい。

扇浦海岸から小港海岸方面へは直線的に一山越える必要があり、坂が恐ろしく急です。
ただ、距離は短いので登れないときは降りて押して行けば問題ありません。
この区間も歩道もありますが、「自転車歩行通行可」の道路標識はありません。

二見港からウェザーステーションへは、一般人は自転車で行くべきではないと思います。
ヒルクライムに挑戦したい人は良いかもしれません。

父島東側は山の上を走る道ばかりで、坂がきつく距離も長いです。
しかし、一般人でも良い自転車を持っていけば走れなくはないコースかと思います。

父島の駐輪場は?

駐輪場は二見港近くの生協そばにあります。無料で野ざらしです。
立てかけられるようなものは無いので、置いておくならスタンドは必要です。
ただ、船は限られているため盗まれる心配は極めて低いので、カギを付けてその辺に置いておいても問題無いかと思います。

父島の自転車置き場(無料駐輪場)

母島の様子は?

母島の道路はすべてコンクリートです。
歩道は沖港近くにはありますが、ほとんどの箇所で存在しません。

沖港から南側は坂が多くどれもきついです。沖港すぐの坂からして急です。
サイクリングをするならばそれなりの自転車で覚悟を持って行く必要があると思います。

沖港から北側は恐ろしく坂が急な山道です。
常人は避けるべきで、ヒルクライムに挑戦するような人だけが自転車で行くべきかと思います。
それでも年間で何人か自転車を楽しむ方はいるようで「坂がきついのが楽しい」と言っているそうです。

母島の道路(沖港から南側)…坂がきつい

母島での注意点!

母島は沖港そばにしか売店、自動販売機、水道がありません。また沖港から離れると携帯電話も通じません。
お手洗いも、至る所にある父島とは異なり、各港の近くや都道最南端など限られた場所にしか存在しません。
食料や水分は十分に準備した上で、健康状態が優れているときのみ自転車を楽しみましょう。
※北港には衛星公衆電話(100円硬貨が必要、楽天EDY使用不可)が設置されています。

防犯面は安心で、母島内ならどこでもカギ無しで自転車を止めていても盗まれる心配はないかと思います。

余談:自転車を輸送するとしたら…

小笠原に事前に自転車を送ってしまうと考えているとしたら、やめておいた方が良いと思います。
なぜなら約1週間前の前便で送りお届け先で1週間預かってもらうことになるか、それとも自分自身が小笠原に向かうのと同じ船で運ぶことになるからです。

小笠原に通常料金で荷物を送る手段としては、日本郵便とヤマト運輸があります。
その他の業者での宅配便の場合は中継料金が加算されますので、自転車の場合は取り扱ってくれないことも考えられます。
宅配便の場合、ゆうパックなら父島到着翌日、宅急便(ヤマト)なら父島到着当日に、父島の住所に届けてもらえるそうなので、自転車を送るとなればヤマト運輸の利用が現実的な選択肢になるかと思われます。
二見港ではヤマト運輸の「ヤマト便」(宅急便とは異なるサービス)も受け付けてくれているので、ヤマト便ならば自転車を送ることができるかもしれません。
なお受け付けは限られた日時になるので、そういう点でも輸送は面倒かと思います。
ただ、実際に経験したわけではありませんので、もしかすると送れるかもしれないという参考程度に。

二見港の荷物・貨物の受付時間