それまでいた業界では午前9時に出勤(業務開始)する現場がほとんどでした。
業界柄、さまざまな現場(職場)を経験したのですが、ほとんどが9時。
他に経験したのは9時半という現場が2つありましたが、いずれも都心から若干離れた場所でした。
当時の同僚から聞いた話では8時40分開始なんて現場もありましたが、いずれにしても、ラッシュの電車を見てわかる通り、9時頃に出社するのが社会の常識だと思っていました。

しかし、その後に転職した会社が10時開始で、9時と10時では単に時間が1時間違うだけではない!と実感させられました。

※ここでは通勤に1時間かかる場合を想定して話を進めます。

10時始業の5つのメリット

体力が温存される

1時間遅ければ電車も空いているのではないか?という想像は出来ると思います。
だから、元気に会社に出勤できる!という話ではありません。
実感したのは仕事から帰宅した後のこと。

今までは定時で帰宅してもなんとなく怠くて、気合いを入れて何かしようという気分にはなれませんでした。
けれどダラダラ過ごしてしまって寝るのはいつもの時間……。
なんて生活が当たり前でした。

それが10時出社だと同じ8時間労働(昼1時間を加えて9時間)でも定時に帰宅したあとは、何かしようと思えるようになりました。

理由としては、ラッシュ時の電車でつり革にすら掴まれない混雑の中で立って通勤していたのが、座って&寝ていられるようになったこともありますし、1時間遅くまで寝ていられるようになったことも挙げられると思います。

残業時間が減る

例えば、終電が24時の場合、9時開始18時終了のときは残業は最大6時間可能でしたが、10時開始19時終了ならば最大5時間しかできない。
そのような場合には残業時間が減るパターンは想像できるかと思いますが、終電に限らず人間の時間の感覚はそんなに変わらないということを実感させられました。

通勤時間が変わったらと言っても、店や窓口などの時間は変わりませんし、テレビ番組もいつも通りの時間に放送されます。
9時開始18時終了の職場で21~22時まで残業をしている人を見れば「遅くまでやっているな」と感じるかと思いますが、10時開始19時終了の職場でもやっぱりみなさん21~22時まで残業をしている人を見れば「遅くまでやっているな」と感じるようなのです。
よって、勤務時間は少なくなる傾向にありました。

すると寝る時間も9時出社の頃も10時出社の頃も変わらず、睡眠時間が延びました。

働きやすい企業が多い

開始時間を10時に設定しているような会社は、就業時間以外の面でも従業員のことを思った制度を取り入れている傾向がありました。
求人票を見ていても、比較して女性が働きやすい企業が多いと感じました。
もちろん9時出社でも働きやすい会社や職場というものは沢山あるかと思いますが、転職活動で10時出社の会社の求人に目を向けてみると、ブラックな企業や平凡で何も無いような会社は少ないように感じました。
抑圧された企業よりも働きやすい企業のほうが収入が上だとか安定しているとは言いまぜんが、より晴れやかな心で人間らしい生活が送れると思います。

郵便局や役所に行ける

住んでいる地域にもよると思うのですが、地元の集配郵便局はゆうゆう窓口が8時開始です。
8時に郵便局に寄ってから出勤すると9時に間に合うか間に合わないかといった微妙なところで、チャレンジャーな感じでした。
そして夜も地元は20時で閉まってしまうので、少し忙しい時期となると、休日にしか行くことが出来ませんでした。
それが、10時出社になったことで焦らず寄ることが出来るようになりました。

役所については最近知って驚いたのですが、ずっと9~10時頃の開庁だと思っていた地元の市役所は、8時半から開いているようなのです。
市役所に用がある場合は、欠勤/遅刻するか有給休暇を使って休んでいくしかない場所だと思っていたのですが、8時半に行けば10時に出社できることがわかりました。
9時開始の職場ならこうは行きません。

痴漢えん罪に遭う確率が格段に下がる

ラッシュの電車内ではつり革にも掴まるができず、時にはスマホを見ることが出来ないどころか全く身動きが取れないほどピッタリぎゅうぎゅう詰めにされるときもあります。
特に女性の後ろに立ったときは何もしてないくても緊張したもので、痴漢と間違われないように女性が近いときはなるべく手を上げて乗るようにしていました。
痴漢えん罪に遭った場合には掴まったら最後。助かるには逃げるしかないとは良く言われますが、10時出社ならば例え電車遅延で遅れた場合にもラッシュ時のような酷い混雑に遭う確率は格段に減ります。

10時出社の頃、運転見合わせていた電車が丁度再開したタイミングを経験しました。
そのような時間に乗る人はそもそもラッシュ時のような混雑には慣れていないので、混雑しているようでもまだ乗れるレベルであっても、もう乗れないと思い次の列車を待つ人が多数居たのです。
遅延証明書も出ますし、焦って出社する必要が無いというのもあるのかもしれません。
さらには、10時以降の出社を認めている会社ならば比較的社員思いで、電車遅延だからといって急がないととやかく言われるというような時間に凄く厳しい会社が自体が少ないのかもしれません。

その他にも……

その他にも実感したことがいくつかありました。

  • 高校生以下の学生/児童の登校とぶつかることが無くなり、道が歩きやすく自転車で走りやすくなりました。
  • ラッシュ時に通勤していた頃は毎朝出社後はピリピリしていましたが、心晴れやかに仕事が始められるようになりました。それも10時開始を経験した後に「過去はもっとピリピリしていたなぁ」と気付かされました。
  • ラッシュ時の電車では、ぶつぶつ文句を言っている人や横暴な人がいたのでなるべく近寄らないようにしていましたが、そのような嫌な緊張感とは無縁になりました。
  • 睡眠時間が延びて心も穏やかになると、規則正しい生活にもなって来て、健康的にもなってくるようです。休日と言えば寝てばかりだったのが、今では自転車(ロードバイク)を始められたのも、10時始業企業に就職したことで実現できたことだと思っています。
  • 職場近くの9時開始のスーパーやドラッグストアに寄れるようになったので、コンビニを利用するよりもお財布の負担が少し減りました。
  • 9時出社の職場ではランチタイムも12時からと決まっているところが多かったです。すると12時になると他企業も含め大勢が店に詰めかけるので、特に「今日は5人以上のグループで食事をしよう」といった場合に店選びが大変でした。出社時間が10時以降の会社ではランチタイムは13時~や、時間は自由というところもあり、混雑していない時間に昼休憩することが可能でした。

デメリットは?

デメリットが無いかというと、無くはないかと思います。

  • 若々しい人々を見かける機会が減った。
  • 終了時間も遅くなるので、飲める時間が減った。時間的に二軒目に行けない/二次会ができない場合もあった。
  • 10時開始が出来る会社の中には、フレックスタイム制度の裁量労働制を導入している会社も多少存在し、実力主義が前面に出ている企業もある。

たった1時間されど差は大きい

ただ1時間ずれただけなのに、体感としての差はかなり大きく、心も体もだいぶ穏やかになったように感じます。
経験して以来、「10時以降」は就職(転職)時の必須条件となりました。
みなさんにも是非10時以降開始の会社をオススメしたいです。